文章を書く側であれば、自分の文章を読んだ読者が離れていくのは、死活問題です。それ以上に、自分が生み出した文章には価値がないのだろうか?と考えてしまい、苦しい気持ちになります。
この問題は、少しの工夫で大幅に改善する事が可能です。読者が離れていくかどうかは、文才や読者との相性ではなく、ある工夫がなされているかどうかだったのです。
今回は、そんな問題を解決するための「誰が読んでも読みやすい文章執筆」をテーマにテクニックを紹介していきます。一緒に読者の心に残る文章の執筆を目指しましょう。
フックで惹きつける
よく言われる文章を書く上での基本になりますが、文章のはじまり(導入部分)いわゆる「フック」の部分で、読者を惹きつける事が出来れば、まず合格です。
更にフック内に、これから何について話すのかという概要を伝えます。このフックの部分が魅力的であれば、読者は興味を持ってくれ、読み始めてくれます。
フックだけでなく、それぞれの段落ごとにこのような「さわり」を入れてあげると読者は読みやすく感じ、それ以降の文章も理解しやすいと思います。
難しく考える必要はありません。
「これから1カ月間で確実に3㎏落とす方法についてお話していきます」というのと「たくさんの失敗も挫折も経験してきて、痩せてはリバウンドというのを繰り返してきましたが、最近では徐々に体重も減ってきて・・・」などと言う、何が言いたいのかはっきりしない導入部分がダラダラ続いてしまうと、読者が興味を持てないのは当然です。
ひとつの枠に言いたいことを詰め込み過ぎない
ひとつの記事、ひとつのテーマ、ひとつの章、ひとつの段落内に、情報を詰め込み過ぎないようにしましょう。引き出しが多いのは良い事ですが、例えが多すぎたり、話があちこちに飛んでしまうと、読者が困惑してしまい、「なんかこの文章、読みにくいな」とか「何が言いたいのかわかりづらいよ」となってしまい、読者離れを招きます。
自分の主張を並べまくる文章は嫌われる
文章の構成や、文法が完璧でも、情報過多または著者の言いたいことを詰め込み過ぎた文章というのは、読み手には好まれません。これは人との会話を想像してみると分かると思います。
自分の事ばかり話す人というのは、長時間または長期間付き合うとしんどくなってきます。文章も同じで、言いたいことがたくさんあるのはわかるのですが、結局何が言いたいんだろう?となると、本末転倒です。
シンプルに、1段落1メッセージ程度でサクサク読める文章を目指しましょう。
自分の中で整理してから文章にする
また、言いたいことが多すぎるというのは、逆に言えば読み手を絞る事が出来ていないとも言えます。書き手自身が頭を整理しきれておらず、それを文章にしてしまうため、読み手の混乱を引き起こすような文章が出来てしまうというわけです。
見出しを使い小分けにする
ひとつの項目を説明するのに、説得力があればいくつもの例えや主張を表現する必要はありません。シンプルな文章で一撃で読者の心をとらえた方が、文章全体のリズム感も向上し、読み手は楽しめます。サクサク進むスピード感とリズム感のある文体が、読み手を引き込むといった感じです。
この記事のようにで伝えたいことごとに見出しを分けて説明することで、ダラダラと長文で説明するよりもリズム感が増し、読み手が読みやすくなります。
文章は短く簡潔に!
文章が長くなると、中だるみを起こしてしまい、読者は読むのが面倒になってきます。読むのに疲れてしまうと、読者は離れていき戻ってくる可能性は少ないと思います。
モヤモヤしている状態が続くのもよくないので、最後まで読まないと理解出来ないような文章は避けるべきです。最後まで読まなければいけないというのもプレッシャーになります。
活字離れ化の影響も考慮する
完璧主義思考の強い日本人は、読書という行為においても、完璧を求める傾向があります。読書するにも構えてしまい「著者の意図をすべて正確に理解しなければいけない」「一字一句読み切り、1ページ目から読まないといけない」「一度読み始めたら完読すべきである」といったMUST/SHOULD思考にとらわれてしまうようです。
本来楽しいものであるはずである読書という行為が、苦痛となってしまうわけです。これでは、活字離れするのも当然のような気がします。
また、考えられるすべての工夫を行っても、読者が離れていく事はあります。その場合は、過度に執着しないようにしましょう。あまり読み手に寄り過ぎた文章というのも、安っぽく感じてしまい逆に読者離れを助長させる可能性があります。
客観的に自分の文章を読み返し、読みやすさを実感できたら、肩の力を抜いて執筆に励みましょう。
結果にも完璧は求めず、リラックスして書けるくらいの方が、必死になって生み出した文章よりも読者の反応が良い事が多いです。少しマージンがあるくらいの方が、読み手も楽しめますし、必死な感じが読み手に伝わるのか、読んでいて重いのかもしれません。
このような考え方も、読者離れを防ぐテクニックのひとつです。
リズム感にフォーカスする
文章校正をしているとよくわかるのですが、自分が書いた文章を後で読み返してみると、「リズム感が悲惨」な事はよくあります。木を見て森を見ずと言いましょうか、集中して良い文章が書け、一文章として見れば良い出来でも、全体の流れとして見ると凸凹な文章になってしまい、読みづらくなっていることがあります。
また、リズム感を高めるための応用テクニックとして、複雑な内容のテーマは、「小分けにして伝える」という方法があります。
たとえば、「著作権法とは何か?」という説明をするときに、箇条書きのような感じで短い文章に区切って説明してみると読者の反応がガラリと変わるはずです。
著作権法とは、「憲法〇〇条で定められた・・・」ではなく
- 著作者を保護する法律
- 著作者とは著作物を製作した人あるいは会社
- 著作物とは著作者が気持ちや感情などを作品にしたもの
- 英語ではコピーライト
などという感じで、読者が疑問を持たないような書き方で淡々と説明していきます。
最後に「ざっくり言うと”他人の作ったものを無断で使っちゃだめですよ”という事です」などと子供にもわかるような簡単な表現で説明すると、より多くの人に伝わります。
小難しい言葉や表現を並べるのは、読み手の事を考えていない事に通じます。ひとりでも多くの人に伝えたいのであれば、よりわかりやすく、より簡潔に、より簡単な文章や表現を追求していかなければいけません。
自分の書く文章のどこが読者にとってストレスになっているか考える
読者が離れていくには、それなりの理由があります。ジャンルや読者層によっても、その理由は異なってくるので、読者離れをネガティブな反応として捉えるのではなく、お客さんからのフィードバックといった感じで解釈すると良いでしょう。
改善点を教えてくれているわけですから、そこを修正していく作業を繰り返していけば、読者離れは半減するはずです。
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