ホームページを制作して、SEO対策を万全にしたからといって、絶対にそのサイトが読者に好まれ、のちの購買などにつながるかと言うと、そうでもありません。
なぜなら、SEO対策以前に、そのサイトの構造やコンセプト自体が読者に好まれる形になっていない可能性があるからです。
この記事では、コンセプトや構造面において良いサイトか悪いサイトかを分けるポイントを7つご紹介します。
サイトを作る理由・目的を明確にする
7つのポイントをご紹介する前に、一度考えていただきたいことが、「サイトを制作する目的」とは一体なにか?ということです。
この答えはサイト所有者ごとにそれぞれ違うはずです。
例えば、通販型のECサイトを制作しているのであれば、そのサイト上での商品売買が目的です。
目的の具体例〜企業コンサルティング・飲食店の場合
企業コンサルティングを行っている会社であれば、そういったサービスがネット上のみで契約まで進むことなどほとんどないので、まずは無料会員登録などを行ってもらい、顧客リストの構築をすることが目的となることが多いです。
飲食店であれば予約をしてもらうことや、クーポン情報などを流すことでブログを読んでもらい、リピーターを獲得することも目的となることが多いです。
すべてのサイトに共通することはたった1つ!「目的達成のため」
上述したようにサイトごとにそのサイトを制作する目的は違います。ただし、すべてのサイトに共通することがたった1つだけあります。
それは、「サイトは『目的達成』のために存在する」ということです。
このことを踏まえた上で、良いサイトと悪いサイトを分けるポイントについて考えてみてください。
良いサイトと悪いサイトを分ける7つのポイント
冒頭で「SEO対策ではない」といったことをお話しましたが、実際には、コンセプトやサイトの存在意義、そのサイト上のコンテンツの質がSEOにとっても最も大切なことであるので、この7項目を満たせば、SEO対策にも十分なりえます。
では、7つの項目をそれぞれ見ていきましょう。
ユーザーが誰なのかを明確に想定する
あなたのサイトに訪問してほしい「ユーザー」は「誰」なのかを明確にしているかどうか。そしてもっと重要なことはそれがユーザーに伝わっているかどうかです。
特にトップページの上部で「誰がなにをできるようになるサイト」なのかを明確に伝える必要があります。
想定されるユーザーはアパレル系会社の社長なのか、工務店の社長なのか、また、その業界内でもどんな層の人たちなのか。
こういったことを明確にシンプルに、短く説明することが大切です。
良いサイトではこれが完璧にユーザーに伝わっています。悪いサイトではこれが伝わりません。つまり、悪いサイトには想定外のユーザーも集まり、結局そのサイト上での目的が果たせなくなります。
サイトのゴールを1つに定める
1つのサイトでのゴール(ユーザーにとってほしい行動)は1つに定めるべきです。
ゴールとして挙げられる代表的なものには
- メール会員登録
- 購入
- 問い合わせ
- シェア
- いいね
などがあり、良いサイトでは基本的に、これが1つに絞り込まれているわけです。
欲張って多数のゴールを用意してしまうと、サイト上がごちゃごちゃしてしまうため、ユーザーが混乱し、離脱率につながるようになります。
7つのポイントの中でも、上記2つのポイントが最も大切です。
ここが明確になっており、ユーザーにもそれが伝わっていないと、そのサイトでの目的達成は不可能に近いと言えるでしょう。
シンプルで見やすいレイアウトにする
サイトを制作しても、ページがごちゃごちゃしていて見にくいとユーザーは混乱してしまいますし、そういったものを人間は本能的に嫌ってしまいます。
ここで重要なことは、ほとんどの人はページを「読む」のではなく、「見る」という点です。
特に、ページの最上部はページを開いた瞬間に目に入る部分ですが、ここが多数の画像や大量の文章でごちゃごちゃしていると、人はそれを瞬間的に拒絶します。
ですので、まずページ最上部をスッキリした印象にしましょう。
ユーザーに、ページに留まってもらうためには、以下の2点に配慮したレイアウトにする必要があります。
- 画像は1つ
- 「ユーザー」と「ゴール」の定義を明示する
あるいは、この部分を「動画」1本にしてしまうという手もよいですね。ただし、あくまでも短くユーザーとゴールを定義する動画にしましょう。
反対に、やってはいけないことは以下の4点です。
- 複数の画像が最上部に同時に掲載されている
- 会社概要のような文章が書かれている
- 想定ユーザーが曖昧
- 複数のゴールが用意されている
サイトはごちゃごちゃさせず「1つのことをわかりやすく簡潔に伝える」という点を意識しましょう。
画像は使うべきだが多すぎはNG
まず上述したように、ページ上部には画像を1つ使いましょう。
1つの画像が持つ情報量は、文字数に換算すると「1,000文字」に当たると言われています。百聞は一見に如かずという言葉が示す通り、画像は人に一瞬で情報を伝えることができるのです。
しかしその画像も多すぎると、人は混乱してしまいます。
ページ全体を通じても、掲載したいからといってすべての画像を載せてしまうと、ごちゃごちゃした印象になります。
特にここで重要視しなければいけないのは、「色彩」です。
画像には色がつきものですが、「カラフルすぎるページ」は目がチカチカしてしまい、ユーザーのストレスに変わります。
良いサイトでは、画像量と文字量のバランスが取れています。
また、画像を使うなら、高解像度の画像を使いましょう。クオリティの低い画像を使うと、それだけで権威性が落ちてしまいます。ロイヤリティーフリー写真などを利用するのも良い方法ですね。
「背景色」「文字色」で統一する
少しだけ上述しましたが、「色彩」は良いサイトと悪いサイトを分ける1つのポイントです。
「色彩」は画像だけでなく、背景色や文字色についても意識しなければなりません。
まずは背景色について説明します。背景色も画像と同じで、さまざまな色が使われていると目がチカチカすると同時に、背景に視線がいってしまいます。
つまり、本当に読んでほしい文章が読まれないという事態に陥ってしまうのです。
もちろん、基本的には悪いサイトの例である「カラフルな背景色」が逆に好まれるサイトも存在しますが、それはかなり少数派です。「面白系のコンテンツ」を前面に押し出しているサイトなど、ごく一部のサイトでのみ有効な手法です。
「良いサイト」にするためには、基本的には背景色は同じ色に統一するべきでしょう。
次に「文字色」についてですが、基本的には以下の3色のみを使うことをおすすめします。
- 背景に合わせた最も見やすい基本の色
- 強調するための色
- リンク用の色
よくある例としては、白地の背景に「黒」を基本色とし、「赤」を強調色、「青」をリンク色にしているパターンです。
また背景色、文字色は「ブランドイメージ」と合致した色を設定することも重要です。企業内でよく利用している色があれば、その色の組み合わせを利用するのもおすすめですよ。
「ボタン」は文字数と場所を意識して設置する
サイトで1つのゴールを設定している以上、ユーザーに行動をしてもらわなければなりませんが、多くの場合は「リンク」「ダウンロード」「フォーム送信」などが利用されます。
もちろん、ボタンを作らなければならないというわけではありませんが、ボタンを作ったほうがわかりやすく、反応率も上がります。
ボタン設置の際は以下の2点を意識しましょう。
- 文字数をできるだけ短く、かつ明確に伝わるようにする
- わかりやすい位置に設置する
ボタンの文字数を少なくするためには、ボタンの上部でゴールに誘導するための文章などを簡潔に設置する必要があります。そこで伝えきれていれば、ボタンの文字は例えば「今すぐレポートを受け取る!」といった短い文章でよくなります。
ボタンの設置位置は
- ページ最上部の真下に1つ
- サイドバーに1つ
- ページ下部に1つ
が理想的です。
文章は「質と量」「フォントとサイズ」を意識する
良いサイトを構築するときに、おそらく最も苦労する点が、文章に関する部分です。しかし、これも簡単なコツがあります。
まず、サイトのゴール設定を念頭に置くことと、必要な情報をページごとに分けることです。
ホームページ(トップページのこと)でやるべきことは「サイトのユーザー定義」「ゴールの明示」です。その2つを伝えようとすると事業の定義もする必要が出てきますが、あくまでもシンプルで簡潔に短く済ませます。
それらの詳細は「会社概要」や「サービス」といったページに割り振るようにしましょう。
サイトの基本的な形は、「トップページ」「サービスページ」「概要ページ」「問い合わせページ」です。この4つがしっかり作り込まれていれば、良いサイトと認識されやすくなります。
また、それらのページ内で扱う文章の質と量は、「できるだけ短く、簡潔でわかりやすく」を徹底することと、「文字フォント、大きさ」を見やすいものに設定することが大切です。
フォントに関して、現在最も推奨されているものは「メイリオ」というフォントです。
フォントサイズは基本を12~14pt。強調したい文字を16~18pt。見出しを22~24ptに設定すると見やすくなります。
「サイト自体の価値>SEO対策」ということを忘れないように
冒頭でも述べましたが、いくら頑張ってSEO対策をしたとしても、サイトのコンセプトや構造がユーザーに価値として伝わっていなければ、そのサイトはないのと同じです。
そのサイトのSEOにかかるコストや時間は単なる無駄になってしまいます。
まずは上述したポイントを理解し、「サイトの目的」を達成できるサイト構築を目指しましょう。
コメント