googleアナリティクスを見ていて、「お、だんだんアクセス数があがってきた!」とか「直帰率が上がってしまった・・・」とか数字を見て喜んだりガッカリしたりしていませんか?
でもそれって自分のサイトにおける、ある期間の中だけの数値の比較で、そのアクセス数や直帰率の数字がはたして何を意味しているのか?いいのか悪いのかわからないですよね?数字が上がったり下がったりを見ているのは楽しいですがせっかく解析するからには、アクセス解析からわかる数字に隠れているユーザーの行動を考えるようにしましょう!
本当は各指標の数字の目安もご案内したかったのですが、サイトの種類や目的、業種なんかによって違ってくるので、今回はパスします。
そういうわけで今回はアクセス解析にでてくるアクセス数や直帰率などからユーザーの行動や心理を想像してみましょう。
ページ/セッション
細かいことを抜きにすると、あなたのサイトに1度訪問した場合、だいたい何ページ見られているか?という指標です。サイトの目的や構成にもよりますが、だいたいは訪問してもらったら、サイトの他のページも見てもらいたいと思いませんか?この数字が大きいと、一度の訪問で見られるページ数が多いということになります。
ページ/セッションが多い時のユーザーは何を考えている?
ページ/セッションが多いと時のユーザーは何を考えているんでしょう。もちろん様々な心理のユーザーがいますが、極端に言うとユーザーのパターンとして下記の2パターンが考えられます。
- サイト内にほしい情報がいくつもあり、移動しやすい
- ほしい情報がどこにあるかわからず迷っている
どちらも複数ページ見てしまう行動だと思いませんか?
どこかのページに最初に訪問しページを閲覧したとします。その内容が自分の求めていたもので、他にも情報が知りたいと思ったり、関連する情報などに行きやすかったりすると、自然と次のページに行くのではないでしょうか?この場合、ユーザーは満足してサイト内を回遊(サイト内をストレスなく見て回る)しています。
逆に訪問したページに自分の欲しい情報がない時にはどうするでしょうか?
別のサイトに移動するか、サイト内を探す行動に出ます。サイト内で探し物をしていたり、迷った場合もページ/セッションは多くなります。この場合は決して多いからよいとは言えません。
平均セッション時間などと合わせれば、ユーザーが満足して回遊しているのか、迷っているのかも見えてくると思います。
LP型のページが増え、ページ/セッションが少なくなる
LP(ランディングページ)が増えていますが、LPは1ページ完結型が多いので、ユーザーも1ページで欲求を満たし満足します。そうすると他のページにはいかないことが多いです。そうなるとページ/セッションは少なくなります。LP型に限らず、サイト内のページが1ページで完結するものがほとんどであればページ/セッションは少ない傾向があります。
ページ/セッションの重要性
あなたのサイトのページビュー数を倍にするときにはどうしたらいいですか?
広告を出してアクセス数を上げたり、コンテンツを増やしてみるなどいろいろな方法があると思いますが、現在のページ/セッションを確認し、さほど多くなければページ/セッションを2倍にしてやればいいんです。
例えば、あなたのサイトのページ/セッションが1.5(1人が平均1.5ページ見ている)でページビュー数が2000の場合、ページ/セッションを3(1人が平均3ページ見ている)に上げる方法をとれば単純にページビュー数が2倍になります。この方法だと、今のアクセス数のままページビュー数を2倍にできます。アクセス数を2倍にするよりも可能性は高いです。
先ほどの「ページ/セッションが多い時のユーザーは何を考えている?」の時のユーザーの立場になって考えれば、どういったサイトが回遊しやすいのかがわかってくると思います。どうしてこのページのここにボタンがあるのか?どうして関連記事がここに表示されているのか?などなど意識して自分の好きなサイトを見るのも勉強になります。
直帰率
直帰率とは、あなたのサイトを1ページだけ見て他のサイトに行った、もしくはブラウザを閉じた割合です。
気を付けてほしいのは単純に直帰率をみて高いから悪いと考えるのは間違っています。それはなぜでしょうか?ユーザーの心理や行動を考えてみましょう。
直帰率が高い場合のユーザーの心理
- 訪問したページに欲しい情報がなかった
- タイトルを見てクリックしたけど内容が予想と違っていた
- 読込が長くてなかなか表示されない重たいサイトだったのでイライラした
- とても内容に満足し、欲求を満たされた
- リピーターなので最新の記事だけチェックした
他にも理由はありますが、主に以上のような心理が考えられます。
「ページ/セッション」でもお話ししましたが、LP(ランディングページ)の場合は1ページ完結型が多いですので自然と直帰率が高くなります。また、リピーターは以前にも訪問したことがあるので、最新の記事だけをチェックして帰っていく傾向があります。
こういった理由から直帰率が高いからよくないとは一概に言えません。そのページの目的や内容によっては直帰率が高くても何も問題ありません。
ユーザーの心理を考えて直帰率を下げる
先ほど挙げた「直帰率が高い場合のユーザーの心理」から直帰率を挙げるには以下の方法が考えられます。
- タイトルとページの内容を合わせる
- 表示速度を考えてコーディングする
- 関連記事などを表示し、回遊しやすいように誘導する
他にもいろいろ考えられますが、これらは直帰するユーザーの心理を考え、それをどうやったら改善できるか?というのを考えて出したものです。自分が何気なく他のサイトを見ているときや、検索して探し物をしているときなどの行動を思い出してもいろいろな改善点が見えてくると思います。
平均セッション時間
こちらも細かいことを抜きにすると、あなたのサイトに訪問してサイトを閲覧していた時間です。「平均」とついているので、1セッションの間にあなたのサイトに滞在していた平均時間になります。ただし3つのことに注意してください。
1.直帰した場合にはセッション時間は0分
ユーザーがあなたのサイトのどこかに訪問したとします。とてもよい記事で3分かけて読みました。満足したユーザーは違うサイトにいきました(直帰しました)。
この場合のセッション時間は、なんと0分です!!
え?3分見てたんだから3分じゃないの?
これはGoogleの計測の仕組みに理由があります。セッション時間はどこかのページに入ってからサイト内の別のページに移動するまでを計測したものです。
この「別のページに移動するまで」というのはユーザーが同じサイトの中の別のページへのリンク(ボタン)をクリックするなど、ユーザーが何かのアクションを起こすことで取得できます。ですが、別のサイトに移動した時、またはブラウザを閉じた時にはGoogleはそのアクションを取得することができないので直帰した場合はセッション時間が0分となります。あくまでも同じサイト内でのアクションしか認識できないのです。
2.離脱する直前のページのセッション時間も0分
さきほどの「直帰した場合には平均セッション時間は0分」と同じ原理で、離脱する直前にいたページのセッション時間が取得できないので、そのページのセッション時間は0分になります。
離脱する直前にいたページをどれだけ長い時間みていても、それはセッション時間に含まれません。なんだか納得いきませんね。ただ、私もページのタブを開いたままにして他のサイトを見たり、作業したりしているので、そういった時間もセッション時間として計測されると何が正しい計測値かわからなくなるので、難しいところですね。
離脱する直前のページのセッション時間は取れないにしても、離脱したページだとわかるので離脱されても問題のないページかどうかを見直し改善はできると思います。
3.「平均」という言葉に注意する
直帰した時のセッション時間は0分になるということは、直帰率が高いとセッション時間が0分の割合が多くなるということです。
ユーザーの滞在時間が似たような感じだと左側のグラフのような形になるのですが、一般的にセッション時間のグラフは右側のような形になる場合がほとんどです。
直帰されるとセッション時間は0分なので、直帰率50%のサイトは半分がセッション時間0分とみなされます。ですので「平均」だからみんな似たような時間滞在しているような感じを受けてしまいますが、実際の数値は極端に分かれているということを覚えておいてください。
新規ユーザー
あなたのサイトに初めて訪問したユーザーの数です。よく話題にあがるのが新規ユーザーとリピーターの割合です。どちらが多い方がいいのか?という話ですが、これまたサイトの目的や構成、ターゲットなど様々な要因でどちらがよいとは一概には言えません。
例えばECサイトであれば、新規ユーザーも大切ですが、リピーターの割合が多い方がよい気がします。購入するというアクションを何度も行ってくれるユーザーはあなたのサイトのファンになっているはずです。定期的に新商品のチェックなども行っている可能性があります。
あなたのサイトにおいて、新規ユーザーとリピーターのどちらの割合が多い方が、あなたのサイトにとって有益なのかを考えて対策しましょう。
新規ユーザーのつまずきがないか調査する
新規ユーザーを増やしていくには、新規ユーザーの行動を調べて、離脱ポイントを探すのも重要です。リピーターはあなたのサイトに良くも悪くも慣れてくれています。もしかしたら多少の使いづらさも我慢しているかもしれません。ただし、新規ユーザーはなかなかそうはいきません、少し使いづらい箇所があったりするとすぐ離脱してしまうかもしれません。
新規ユーザーからリピーターになってもらうためにも新規ユーザーの行動を解析してサイトの改修のヒントを得てください。
コンバージョン率
まず、あなたのサイトの目的は何ですか?お問い合わせしてもらうことですか?それとも商品を購入してもらうことですか?目的はそれぞれでしょうから、重要なのはしっかりとしたサイトの目的をもっているか?ということです。コンバージョン率というのは簡単に言うと、その目的の達成率です。
例えば、商品購入してもらうのが目的のサイトがあったとします。10人訪問して、そのうちの1人が商品を購入したとします。この場合のコンバージョン率は
1人(商品購入した人数)÷ 10人(訪問したユーザー)× 100 = 10%
となり、コンバージョン率は10%です。コンバージョン率は高ければ高いほどいいのか?もちろんその通りです。目標達成率と考えてよいので、これは高い方がいいに決まっていますね。
ただ、この数値もコンバージョンの中身で変わってきます。単なるお問い合わせと、実際に商品を購入するという2つのアクションですとお問い合わせの方が無料ですし、気軽にできるので数が多いはずです。
コンバージョン設定の内容は自分で決めれるので、自分のサイトの目標をコンバージョンとして設定し計測してください。
ユーザー心理を考えてコンバージョン率をあげる
サンプルのイラストではECサイトを例にしました。いろいろなユーザーがいますが、まずは自分がネットで買い物するとき、お問い合わせするときにどんなことに不満を感じながらやっているか思い出してください。
ユーザーの不満
- 商品説明がごちゃごちゃしていてわかりにくい
- 類似商品との違いがわからない
- 書いてあることが本当か信用できない
- 何度も同じ内容を入力しないといけないのが面倒くさい
- 購入してもいつ届くかわからない
- たくさん入力項目があって面倒くさい
このように感じたことはないですか?上に挙げたポイントは離脱ポイントでもあります。ですが、単純に考えれば、上記の事を解決してあげればコンバージョン率は上がります。
ユーザーの不満を解決する方法
- 商品説明は強みを重点的に説明しシンプルにする
- 表を使って類似商品との比較表を作った
- 口コミやレビューを表示した
- 会員登録をつけて、住所などは自動で入るようにした
- お届け日を明記した
- 必要な項目だけを残し、いらない項目は削除した
どれだけコンバージョン率があがるか楽しみですね。
ホームページを改修する場合
改修するときは一度にやらない
Googleアナリティクスで問題点を見つけ改修する場合は、一度に複数の事をやらない方がいいです。間違いなく効果があるというものは問題ないですが、一度に複数の改修を行うと、どの改修が効果があったのかがわかりにくくなります。緊急を要するもの以外は少しづつ改修し、結果を評価し改善していってください。
まとめ
Googleアナリティクスの計測結果は数値で出てくるので、どうしても値が「大きい」「小さい」で判断してしまいがちですが、一概には言えないということを覚えておいてください。あと、「平均セッション時間」のように計測ルールのせいで、本来の純粋な数値でないものもあります。計測ルールを知り、その数値を活かすようにしてください。
あとは、どの数値も単独で見るよりは、他の計測数値と絡めて解析するとより多くの事が見えてくると思います。サイトの目的や構成、業種によって各項目の目安が違ってくるので今回は各項目の目安を出せませんでした。ただ、目安についてはいくつかの情報をまとめることで出すこともできると思いますし、おおざっぱな数値は調べればある程度出てくるので機会があったら調査して報告したいと思います。
みなさんも解析数値からユーザーの心理を想像し、サイトの改修に活かしてください。
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