あのGoogleからメールが届きました
2018年4月12日にGoogleからメールが届きました。
いつもとは違う雰囲気を感じた私は早速内容を読み始めました。
気付いたら5秒後にはメールを閉じていました。
英語で書かれている上に長文過ぎて2、3行挑戦して心が折れました。
なぜかわかりませんが、「たいしたことではないだろう」と思い業務に戻っていきました。
それからしばらくしたある日、私のところに驚くべき情報が舞い込んできました。
「Googleアナリティクスのデータが消える!?」
そんなことがあるわけない、なんのことかさっぱりわからないといった感じで軽くパニックになりました。
そして私の頭の中を2つのことがよぎりました。
・Googleアナリティクスにログインした時に表示されていた
・例のGoogleからのメール
アナリティクスにログインした時にいつもはないのに表示されている文章。
そして、あの英語の長文メール。
私はすぐにあの長文メールを探し、私専属の通訳にコピペして内容を確認しました。
私の専属通訳は100ヶ国以上の言語に翻訳でき、非常に優秀です。
たまにカタコトの意味のわからない文章になりますが、それも愛嬌です。
翻訳によると、
聞きなれない単語が多い上に、直訳したかのような意味のわからない文章・・・
今日も愛嬌のある専属通訳かと愛想笑いをして、アナリティクスにログインした時に表示される文章を見ることにしました。
「詳細」をクリック。
始めて読む文章なのに、どこかで聞いたことがある不思議な文章でした。
「こ、これは・・・」
先ほど専属通訳のGoogle翻訳がわけのわからない文章に翻訳したものを、正しい日本語にしたものでした。
「最初からこれを見ればよかった・・」
それからいろいろ調べてわかったことをお伝えします。
はたして、Googleアナリティクスのデータはきえてしまうのか!?
Googleアナリティクスのデータは消えません
まず、結論から言うとGoogleアナリティクスのデータは消えません!!
ひとまず安心ですね。
一部のデータの保存期間がデフォルトで期間制限のあるものになります。
後から詳しく記載しますが、「ユーザー」の中の「ユーザーエクスプローラ」、Cookie、広告IDなどです。
正直なじみのない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ではなぜこんなことになったのか?
では、なぜ私が一人でパニックになるような変更をGoogleは行うのでしょう?
それはEU(ヨーロッパ連合)での個人情報保護に関する決まりが2018年5月25日から施工されるからです。
Googleは全世界で利用されているので、今回そのEUの決まりに対応するために、個人情報に関する部分のデータの保持方法について変更を行ったというわけです。
ページビューとかセッションとかは大丈夫?
先ほども書きましたが、今回はEUの個人情報保護に対応した内容なので、Googleアナリティクスのデータの中でも関係のあるのは個人情報に関する部分のみです。
ですので、みなさんがよく見ているページビュー、セッション数、ユーザー数などは今まで通りです。
これを聞くと安心できますね。
実際に影響があるのはどこ?
Googleアナリティクスの「ユーザー」メニューの中に「ユーザーエクスプローラー」というメニューがあります。
保持期間がデフォルトで26ヶ月に設定されるのはここのデータやCookie、広告IDなどです。
ユーザーエクスプローラーとは
ホームページを訪れたユーザーにIDを割り当てて行動を監視しているところです。
- 訪問してきたユーザーに番号を割り振る
- そのユーザーの行動を記録する
- 指定した期間データを取り続けて分析する
ユーザーがどこからきて、どのページを見て、どこで離脱していったか?という行動を、指定した期間データを取ってためて行くところです。
ある特定のページを見る人はどういう傾向にあるのか?
お問い合わせしてくれたユーザーは実はその前にも複数訪問してくれていて、どういうステップを経てお問い合わせしてくれたのか?などもわかることがあります。
こういったことから広告運用と絡めて使用されることが多い情報です。
結局どうすればいい?
今後は「ユーザー」→「ユーザーエクスプローラー」のデータ保持期間がデフォルトで26ヶ月になります。
2年ほどですが、その前のデータが見れなくなると不都合が出てくる可能性があります。
実はこれを期限を決めずに保持する設定が
たったの5秒で出来てしまいます!!
5秒くらいなので、この機会に済ませておきましょう。
Googleアナリティクスにログインする
Googleアナリティクスにログインします。
管理メニューをクリック
ログイン後に左メニューにある「管理」をクリックします。
トラッキング情報をクリック
真ん中のプロパティにある「トラッキング情報」をクリックします。
データ保持をクリック
「トラッキング情報」をクリックすると、いくつかメニューが出てくるので「データ保持」をクリックします。
イベントデータ保持期間を変更
「ユーザーデータとイベントデータの保持」を見ると、デフォルトで「26か月」となっているはずです。
ここで設定してある機関だけ、ユーザのデータを保持するという設定です。
ここを自分たちの好きなように設定してください。
期限を決めずに無期限でデータを保持したい場合は、ここを「自動的に期限切れにならない」に変更します。
変更が完了したら「保存」ボタンを押して設定は完了です。
カンタンですね。
新しいアクティビティをリセットとは
「ユーザーデータとイベントデータの保持」のところを「自動的に期限切れにならない」にした場合は関係ありません。
データを保持する期限を決めたときに関係してきます。
オン:ユーザーから新しいイベントが発生するたびにそのユーザーの有効期限がリセットされます。
26か月に設定してあった場合に、イベントが発生するたびにまた1からデータの保持期限を数えていくことになります。
オフ:ユーザーがアクションを起こす起こさないにかかわらず、保持期限がきたらデータは消えます。
26か月に設定してあった場合に、ユーザーがアクションを起こそうが何を使用が、計測から26か月経つとそのユーザーのデータは消えてしまいます。
まとめ
- 心配しなくてもページビュー、セッション数、ユーザー数などのデータは消えない
- 保持期限がデフォルトで変更になるのは「ユーザーエクスプローラー」のデータ、Cookie、広告IDなど
- 「ユーザーエクスプローラー」のデータもたったの5秒の設定で無期限に保持できる
- ホームページ分析に使えるデータなので保持期限の変更は2018年5月25日までにやっておきたほうがいい
- 今回の仕様変更はEU(ヨーロッパ連合)の個人情報の取り扱いに関する法改正によるもの
データの保持の仕様が変わるのは「ユーザーエクスプローラー」だけですが、今特に利用していなくてもこの先利用する可能性もありますのでデータの保持期間を変更しておきましょう。
そして、今回のことで大切なのは、海外では個人情報保護に関する意識が高くなっていますが、まだまだ日本ではそこまで厳しくはありません。ですが、今後は日本も今よりはきちんと取り扱う必要が出てくるはずです。
自分たちが取得した個人情報の取り扱いがどうなっているのかをもう一度見直しましょう。
また、自分たちのサービスがそういった個人情報を頼りに行っているものだとすれば、いつ取得できなくなるかわからないというリスクを頭においてサービスを展開したほうがよいでしょう。
ましてやそういったサービスが売り上げの半分以上を占めている場合は要注意です。
今回のような改正が日本でいつ行われるかわかりません。
そうなった時に、サービスどころか会社自体が危うくなってしまいます。
個人情報の取り扱いとあわせて、自分たちのサービスについても見直してみるいい機会ではないかと思います。
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