Google社が提供している「G Suite」は、企業向けに作られた生産性向上のためのグループウェアツールです。このような言い方だと難しく聞こえるかもしれませんが、要はGoogle社が個人向けに提供しているサービスを、法人向けにカスタマイズして提供しているのです。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
- フリーメールサービスとして有名な「Gmail」
- オンラインストレージである「Googleドライブ」
- マイクロソフトのOfficeと同じように操作できる「Googleドキュメント」
- チームでスケジュールを共有できる「Googleカレンダー」
- 音声や動画で会議ができる「Googleハングアウト」
これらのサービスを有効活用することによって、企業データのクラウド化とペーパーレス化が実現するのです。
Gmailはどこでもアクセスできる
Googleのサービスで検索エンジンの次に有名といっても過言ではないのがGmailです。
企業で一般的に使用されている通常のメーラーであれば、パソコンを起動してメーラーを立ち上げているときしかメールを受信できません。
しかし、Gmailであればメールの送受信自体はGoogleのサーバーが行っており、ユーザーはブラウザ上やスマートフォンなどのGmailクライアントからアクセスするだけで、いつでも利用できます。
Gmailを活用すれば、使用するすべてのパソコンにメールの受信設定をしなくても、いつでもメールのやり取りを行えるのです。また、仕事でメールを活用していると一日数百のメールに目を通すことも考えられます。このような場合も、GmailであればGoogleの検索エンジンで検索するときと同じような直感的な操作でメールの文章を検索できます。
例えば、A社との取引で見積書を提出したメールがどこにあるか確認しようと思ったら、「A社 見積書」と検索すれば、すぐに目的のメールが見つかります。
G SuiteではGmailに独自ドメインを設定することが可能
ここで一つ心配になるのは、メールアドレスが「〇〇〇@gmail.com」となってしまうことです。独自ドメインではなく、フリーメールのドメインだと、企業の信頼性を損ないます。
しかし、G Suiteであれば、独自ドメインを設定して「〇〇〇@samplemarketing.co.jp」のように好きな独自ドメインを設定することができます。企業ではなく個人で仕事をする場合も、G Suiteに月数百円支払うことによって、Gmailを使用しながら独自ドメインのアドレスを持つことができ、信頼を買うことができるのです。
Googleドライブでファイルのクラウド化を実現
一般的に、企業のデータは企業内に構築されたファイルサーバーに格納することが好まれます。そこで、企業内の社員同士でファイルを共有するのです。
しかしGoogleドライブを利用すれば、これらのファイル共有の仕組みを外部に出すことができます。これは、少なくともUSBなどに貴重なデータを入れて持ち運ぶより安全なファイルの共有手段となります。外部の物理媒体にデータを入れると、破損や紛失などのリスクが発生します。
そして、Googleのサーバーにデータを格納するときも、ハッキングされた場合の対策として使える暗号化ツールなどが多く流通しています。正しい運用を心掛ければ、外部にデータを格納する選択も良い選択肢となります。
ファイルを誤送信する心配がなくなる
企業がGoogleドライブを利用することで、間違えて重要なファイルを誤送信してしまう心配がなくなります。
なぜなら、メールにファイルを添付する代わりにGoogleドライブのURLを記載することで、そこからデータにアクセスできるようになるからです。Googleドライブは誰がどのファイルを閲覧・編集できるかを細かく設定することが可能ですので、間違えてURLを送ってしまった場合でも、アクセス権限がなければファイルの中身を閲覧される心配がなくなるのです。
これは企業にとって大きなメリットです。厳重なセキュリティ対策を必要とする企業では、メールでデータを送付する際、必ず社員同士のダブルチェックで誤送信を防止するところもあります。そのような誤送信のリスクを回避し、チェックの手間も省けることがGoogleドライブのメリットです。
Googleドキュメントはマイクロソフトのオフィスソフトと同様の仕事ができる
Googleドキュメントとは、クラウド上で動くオフィスソフトのことです。
実際には以下のよう
に、それぞれ対応しています。
マイクロソフトの「Excel」 | Googleスプレッドシート |
---|---|
マイクロソフトの「Word」 | Googleドキュメント |
マイクロソフトの「PowerPoint」 | Googleスライド |
2006年の登場から度重なるアップデートの結果、現在ではマイクロソフトのオフィスソフトで使用できる大部分の機能が実装されています。また、ファイル形式も「.docx」や「.xlsx」など、多くの企業で使用されているマイクロソフトの形式で保存できるので安心です。
Googleドキュメントは大変便利なツールですので、現在ではクラウドソーシングなどの企業とフリーランスを繋げるマッチングサイトでも「Googleドライブによる納品」を指定している企業が増えています。
複数人で同時に共同編集できる
Googleドキュメントの画期的なところは、同じファイルを複数人で「同時」に共同編集できるところです。同じ時間に同じファイルを開き、「Aさんは文章部分、Bさんは画像やグラフを編集する」といった作業も可能です。
一般的な企業のファイルサーバーでもファイルは共有できますが、同時に編集することは不可能です。音声会議ソフトやGoogleドキュメント内のチャット機能を利用して、一つのファイルを効率よく編集することができます。
Googleカレンダーで楽々スケジュール調整ができる
Googleカレンダーを利用することで企業のメンバー間のスケジュール調整が簡単になります。
他のメンバーとスケジュールを共有することができるので、メンバーそれぞれのスケジュールを把握した上で会議などの予定を立てることができます。
Gmailと連携して予定を入れることもできる
Googleに限らず、スケジュール調整ができるシステムは他のグループウェアでも搭載していることが多いです。
しかし、Googleカレンダーの素晴らしいところは、Gmailからも予定の作成が行えるところです。例えば、クライアントAから「7/14 14:00から電話会議に参加してください」とメールが届けば、Gmailのプルダウンメニューから「予定を作成」を選択することによって、即座にカレンダーに予定を登録できます。
このツール間の連携がG Suiteの醍醐味といえるでしょう。
Googleハングアウトでメンバー間のコミュニケーションを円滑にする
Googleハングアウトは、チャットやビデオ通話のためのツールです。チャットでは、最大150人まで参加でき、ビデオ通話では10人まで同時に会話を行うことができます。
Googleカレンダーでビデオ会議の予定を入れ、予定時間にハングアウトで会議をしながら、場合によっては特定のファイルを共同で編集するようなことも行えます。こうすることによって作業の効率が良くなり、生産性が大きく向上するのです。
このように、G Suiteをフル活用することによって、ペーパーレスでクラウドを駆使した企業に変貌することができます。G Suite以外にもグループウェアは多数存在しますが、特別なソフトをインストールせずに、Googleの使いやすいサービス同士を連携して使えるG Suiteは、間違いなくあなたの企業の生産性を爆発的に向上させます!
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