運用のコツ/考え方

無料ホームページ(コーポレートサイト)を利用するときのデメリット

Webサイトの運営を検討しているのなら、無料ホームページを利用するのは手軽な手段だといえます。しかし、無料サイトを個人や会社のサイトとして利用すると、実際にはメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまう場合もあるのです。

その主な理由は3つあります。

  • 表示速度と容量が全然違う
  • 広告バナーのコントロール権がない
  • 引っ越し作業がとっても面倒

ここでは、無料サイトと有料サイトの違いと、上記の理由について詳しく説明します。

ホームページの正しい名称は「コーポレートサイト」

コーポレートサイト

「ホームページ」という言葉は、正しくはWebサイトのトップページのみを意味します。ところが、日本では1990年代に「ホームページビルダー」というソフトが開発され、その影響から「Webサイト」=「ホームページ」という間違った認識が広まってしまいました。

ほとんどの人が今も「ホームページ」と呼んでいるものの正式名称は、「コーポレートサイト」といいます。Webサイト、コーポレートサイト、ホームページの違いは下記の通りです。

  • Webサイト:インターネット上のあらゆるサイト(企業サイト、ブログサイト、など)
  • コーポレートサイト:Webサイトの中で、個人および企業が所有している「概要」を含んだサイト(個人プロフィールや、企業概要が書いてあればそれはコーポレートサイトです。)
  • ホームページ:すべてのWebサイトのトップページ

ここからは正しく「コーポレートサイト」という言葉を使って説明していきます。

無料コーポレートサイトとは?

無料コーポレートサイトとは、以下の2つに対して料金がかからない、個人や企業が利用できるサイトのことです。

  • ドメイン
  • サーバー

ドメインとはサイトの「表札」

ドメイン

ドメインとは、インターネット上でそのWebサイトが誰の所有物かを証明するためのもので、すべてのサイトのURLに含まれています。そのサイトの「表札」のようなものだと考えればわかりやすいでしょう。

このドメインに料金をかけないということは、サイト利用者があなたであっても、所有者は別の誰かということになります。例えば、FC2の無料コーポレートサイトを利用しているのであれば、FC2が所有権を持っているということになります。

サーバーとはネット上の「家」のようなもの

サーバーとは、サイトを表示させ、メッセージの送受信を行うために必要な架空の「家」のようなものです。そこに料金を払っていないということは、一種の「居候」のような状態といえます。
家賃を払わない人に対して、家の所有者が多くの権利を与えるはずはありません。

それと同じで、サーバーにお金を払わない人に対しては、サイトを有効活用するための権利は与えられないということです。

有料コーポレートサイトとは?

有料コーポレートサイトを利用する場合でも、ドメインとサーバーは必要で、この2つに料金が発生します。ただし、その価格帯はさまざまで、年間1万円程度の出費で済むケースも少なくありません。

独自ドメインとレンタルサーバー

まず、ドメインの使用権利を購入することで、自分だけのドメインである「独自ドメイン」を取得します。これによりサイトの「表札」が用意できたことになります。

「サーバー」は作成しようとすると莫大なコストがかるので、レンタルサーバーを利用します。サーバーを借りることで、サイトのための家ができあがります。そこに独自ドメインを付けることで、現実世界でいうところの、賃貸物件に表札を付けたような状態になります。

無料サイトと有料サイトのメリットとデメリット

ここまでの話で、「無料コーポレートサイト」と「有料コーポレートサイト」の違いはある程度理解できたと思います。

ここからは、無料サイトと有料サイトのメリットとデメリットを検証していきましょう。

表示速度と容量が全然違う

Webサイト
無料コーポレートサイトでは、あなた以外の誰かも同じサーバーを利用することになります。つまり、同じサーバー上に複数のサイトが同時に存在しているということです。

家の中に同居人がたくさんいる状態を想像してみてください。あなたが利用できるスペースはとても狭く、何かをしようと思っても自由に身動きがとれません。

これに対して、自分専用に有料の賃貸物件を借りれば、スペースは広くなり、自由に身動きがとれるようになります。

まさにこれと同じことがインターネット上でも起きているのです。

部屋が狭く自由に身動きがとれない状態とは、容量が少なくページの処理速度が遅くなることを意味します。サイトをクリックしても、なかなかそのページが表示されないのは、サーバーが混雑しているためです。

現在、1つのページの表示にパソコンで8秒、スマホで2秒以上かかってしまうと、訪問者は読まずにページを閉じるといわれています。

せっかく良い記事を作成しても、読んでもらえなければ意味がありません。有料コーポレートサイトであれば、無料サイトよりも容量が多く、サーバーには自分のサイトしかないので処理速度もアップするというわけです。

広告バナーのコントロール権がない

有料コーポレートサイトなら、サイト上のすべての文字・画像・動画をコントロールすることができます。しかし、無料コーポレートサイトの場合、そのコントロール権はあなたではなくサイト所有者(例えばFC2ブログなど)にあるのです。

つまり、サイト所有者は、あなたのサイト上に自由に広告を貼ることができます。アフィリエイト広告を置けば、あなたのサイトが注目されればされるほど、サイト所有者は儲かります。

一番の問題は、訪問者が「あなたのサイトとサイト所有者によって貼られた広告には関連性がある」と思ってしまう点です。貼られた広告の内容によっては、信頼を大きく損ねる事態にもなりかねません。

有料コーポレートサイトなら、サイトに載せる広告も自分で判断しコントロールできるので、他人の勝手な行動により信頼を失うというリスクを回避することができます。

引っ越し作業がとっても面倒

最初は無料サイトを利用していたが、上記の理由などにより、途中から有料サイトへの引っ越しを検討する人はとても多いです。

しかし、ここで問題となるのが「所有権」です。無料コーポレートサイトの所有者はあなたではなく別の誰かです。つまり、あなたが書いた記事や載せた画像であっても、所有権はあなたにはないのです。

つまり、自分のサイトを有料コーポレートサイトにそっくりそのまま引越そうとする場合、あなたは自分のサイトのコピーを作り、他のサーバー、ドメインに入れ込むことしかできません。引越しではなくクローンを作ることになります。

Web上に同一内容のサイトが存在すると、Googleの検索クローラーによって弾かれ、下位表示されたり、場合によってはペナルティを受ける可能性もあります。そうなっては、訪問者を集めるのは困難になります。

以上の理由から、引越しをするのではなく、面倒ではありますが、サイトを最初から作り直した方が得策です。もしそれでも引越しをしたいのであれば、専門家に依頼することをオススメします。

このように、無料サイトと有料サイトの最も大きな違いは「所有権」にあるといえます。サイト構築は、「無料」という言葉に安易に流されず、長い目で見たときのメリットとデメリットを比較した上で行ってくださいね。

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