一眼レフカメラを持っている方のほとんどが、「コンデジだと物足りない」「もっと綺麗な写真が撮りたい」、といった気持ちから一眼レフを買われていると思います。
でも、買ってはみたものの、「どこをどう設定すればいいのかわからない」「想像していたようなプロっぽい写真が撮れない」等々、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みを解決すべく、ここでは一眼レフカメラの基礎知識と、初心者でもプロっぽい写真が撮れるコツをまとめてみました。
知ってると全然違う!一眼レフカメラの基礎知識
一眼レフカメラを買ったものの、専門用語が多くて戸惑ったという方も少なくないと思います。
しかし、これからご紹介する用語の意味を知っておくだけで、自分の撮りたい写真にグッと近づくことができるはずです。用語を覚えてしまえばあとは実践あるのみ!
早速、見ていきましょう。
露出
デジタルカメラにはイメージセンサー(昔のカメラのフィルムにあたる部分)というものがあり、ここに光を当てることを露出といいます。露出値はその光の量のことで、この後説明する絞り値・シャッタースピード・ISO感度によって決まります。撮影するたびに露出を調整するにはそれなりの技術が必要となるため、露出は自動にして撮影するのが一般的です。
絞り値(F値)
カメラのレンズには光を通す穴があり、絞り値(F値)はこの穴の大きさを表します。絞り値が低いと穴は大きくなり、その分光を取り込むので、明るくソフトな仕上がりの写真を撮ることができます。逆に絞り値が高いほどきちっとしたシャープな印象の写真を撮ることができます。
シャッタースピード
シャッタースピードはシャッターが開いている時間のことで、露出時間ともいいます。シャッタースピードが速いほどシャッターが開いている時間が少ないわけですから、取り込む光の量も減り、写真は暗くなります。反対に、シャッタースピードが遅いほど写真は明るくなります。
また、シャッタースピードが速いと動いているものを一瞬で捉えられるのでブレは少なく、シャッタースピードが遅くなるほどブレやすくなります。
ISO感度
撮影場所が暗く、絞り値を低くしても十分に光を取り込めない場合、シャッタースピードを遅くしますが、そうすると手ブレが発生してしまいます。そこでイメージセンサーに当たる光を増幅させるのがISOで、光をどれだけ増幅させるかという値のことをISO感度といいます。
ISO感度を上げると少しの光であっても明るく撮影することができますが、その高さに比例してノイズが出てザラつきのある写真になってしまうので注意が必要です。
ホワイトバランス
光には様々な種類があり、色味もそれぞれ異なります。撮影した写真が全体的に青っぽかったり黄色がかっていたという経験はありませんか?それは光の色味が写り込んでいるからです。ホワイトバランスとは、その色味を調整して、白いものが正しく白く写るようにするための機能です。
ホワイトバランスを調節することで余計な色(色かぶり)を取り除くことができます。
撮影モードはオートとマニュアルを使い分けよう
一眼レフカメラを使うからには、全てマニュアル設定で撮る方がいいのでは?と考える方もいるかもしれませんが、実はプロのカメラマンであっても全てをマニュアルモードで撮っている人は少ないのです。
マニュアルモードで撮影した写真がオートモードで再現できるのであれば、設定の手間が省けてその分シャッターチャンスに集中できます。
積極的に使い分けるようにしましょう。
オートモード
その名の通りカメラが全て自動で設定をしてくれるモードです。たいていの一眼レフには、撮影シーンに合わせていくつかのモードが用意されています。誰にでもきれいな写真が撮れるので初心者には最適ですが、色味やぼかし具合など、自分の思いどおりの写真を撮ることは難しいかもしれません。
Pモード
初心者には難しい絞り値とシャッター速度を自動で設定してくれるモードです。ISO感度やホワイトバランスなどは自分で決められるので、設定による写真の変化を楽しめます。
Aモード
絞り値、ISO感度、ホワイトバランスを自由に設定できるモードで、シャッタースピードは設定した絞り値に対して最適な露出になるように自動で調整してくれます。自分で絞り値を決めることで、一眼レフカメラならではの背景をぼかした美しい写真を撮ることができます。
一眼レフを手にしたなら、まず使ってほしいおすすめのモードです。
Sモード
露出に関しては自動で最適な絞り値が設定されますが、シャッター速度、ISO感度、ホワイトバランスは自由に設定をすることができるモードです。動物や子どもの運動会など、動きのある被写体をはっきりと撮影したいときにおすすめです。
このモードを使ってシャッタースピードを固定すると、ブレのない美しい写真が撮りやすくなります。
Mモード
マニュアルモードの略で、全ての設定を自由に設定できます。ISO感度は自動か手動かを選択可能です。自分の思い通りの写真を撮るのに最適で、写真の腕前が上達してくると、このモードが1番楽しく感じられるはずです。一眼レフカメラの醍醐味とも言えるモードです。
すぐにできる!プロっぽくなる撮り方のコツ
一眼レフカメラの基本をおさえたところで、次は実際に撮影をする時のコツをいくつかご紹介します。
ちょっとしたことですが、プロっぽい写真になるはずですよ。
正しく持つ
シャッターを切る前に、まずは正しい持ち方で撮影をしましょう。カメラをしっかり固定していないと、どの設定でもピントのブレた写真になってしまいます。
右手でカメラ本体を持ち、左手でレンズを下から支え、脇をしっかりしめてください。目にカメラに押し付けるようにするとさらに固定できます。
また、意外と忘れがちなのが自分の呼吸です。シャッターを切る瞬間に息を止めると、手ブレが抑えられますよ。
目線を変える
初心者によくあることですが、普通に立った状態のままシャッターを切ることが多いため、いつも同じ目線からの写真になりがちです。プロのカメラマンを想像してみてください。
床に寝そべってカメラを構えている姿を見たことはありませんか?
例えば、犬の写真を撮るのであれば、犬の目線に合わせて撮影をしてみるなど、目線の高さを変えてみるだけで、これまでとは違った新鮮な写真が撮れるかもしれませんよ。
三分割法
三分割法は様々な写真に使える構図の法則です。画面に縦2本、横2本の線を均一に配置すると、画面が9分割されます。そして9分割された画面の真ん中にある四角形の四角のいずれかに被写体を持って来るのです。
被写体をど真ん中に持ってくるのではなく(これを日の丸構図と呼びます)、少しずらすだけでプロが撮ったような雰囲気が出せるので、是非試してみてください。
背景をぼかす
プロっぽい写真の代名詞と言えばやはり綺麗に背景をぼかした写真ではないでしょうか。一眼レフカメラであれば、絞り値を調整することでぼかしを上手に作ることができます。まずカメラのモードをAモードに設定し、次に絞り値(F値)をF2.8など、なるべく小さい値に設定します。
そして、被写体になるべく近づいて撮影するのがコツです。
露出を使い分ける
露出を抑えて撮影をすると、全体的に暗くはなりますが、写真にグッと締まった印象を与えることができます。また、逆光の状態に露出補正を加えて全体的に明るくすると、ふんわりと柔らかな写真になります。写真撮影での逆光は敬遠されがちですが、被写体の斜め後ろから光が差している「半逆光」の状態にすると、少し影のある雰囲気ある写真がとれます。
一眼レフカメラは様々な設定ができるので、使いこなせるようになってくると大変面白く、飽きることがありません。上手に撮れるようになるには練習も必要ですが、まずはここでご紹介した基本とコツをおさえて、一眼レフカメラの楽しさを存分に味わってくださいね。
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